16周年記念サイクリング~第2章~

===ここから16周年記念サイクリング~日本横断だよ~第2章です=====
==第1章は読みおわりましたか?===

高橋さん「はははは、落ちちゃいました。でも海水ゲットしましたよ。」


店長「着替えますか?靴下だけでも」


高橋さん「走ってるうちに乾くでしょうから大丈夫」

スナップショット- 1

強い!この漢、強い!
若松さんもペットボトルにたっぷりと海水を汲んだので自転車のところに戻るとまだ熊川さんが到着してない。

渡部さん「熊川、通り過ぎてったみたい。ちょっと行ってきます」
2024年10月5日(土)02時45分
笠岩公園を通り過ぎて尾浜海水浴場まで行ったらしいが渡部さんのフォローで無事に熊川さんも予定時間丁度に到着。

店長「おはようございます。今日は地球を救うためにこの太平洋の海水を日本海に届けます。安全第一でいきましょう」

スナップショット- 5

走行ルールや異常時の対応など認識合わせを行い、来れなくなってしまった菅野さんからの差し入れのスピードジェルと塩タブレットを全員に配る。

スナップショット- 1

店長「よ~し、それじゃ円陣いきますよ。ワラガイ―、キャッツ」


メンバー「にゃー(おー)」


店長、若松「キャッツ」


メンバー「にゃー(おー)」


店長、若松「キャッツ」


メンバー「にゃーあー」


店長「ちょっとちょっと、なに、このグダグダ感。富士ヒルの時より酷い。後でやり直しでお願いします。とにかく出発だ~。いくぞ新潟!しゅっぱ~つ」


メンバー「お~~!」
2024年10月5日(土)03時00分
田舎町の早朝3時に走ってる車など皆無でライトさえしっかり点けておけば快適かもしれない。
ロングライドとしては初めての200kmなのでとにかく疲れないような走りを心掛ける。スピードを上げたり下げたりすると地味に効いてくるので時速23kmあたりを意識して、アベレージ時速20kmにしておけばスケジュール通りで行ける。
深夜だしスタート直後でテンションが上がりがちではあるが気持ちを抑えながら危なげなく大沢峠を越えて丸森町のセブンイレブンに到着。
2024年10月5日(土)04時01分
店長「ここでコーヒー休憩です。ほぼ時間通りです。5分したら出発しますよ」

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コンビニで会計前に必ず小銭を落とす高橋さん
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丸森の阿武隈川沿いの道に入ると街灯は無くなるだろうから集中力を増すためにカフェインを取っておきたい。

ワラガイメンバーは、気を抜くとコンビニで賑やかな団欒が始まるので時計と睨めっこしつつ時間管理を行う。
実際には多少遅れても大丈夫なようにはスケジュールを組んでいるつもりだが、初めての道と距離なので慎重にこしたことは無い。

店長「んじゃ、行きますよ」

阿武隈川沿いを通ると想像通りで街灯はなくなり道の周りが木々に覆われ始める。
民家も全く無くなってるので熊対策に持ってきた笛を吹きながら走行。

スナップショット- 9

熊だけじゃなく猪だって、タヌキだって突然出てこられた大事故に繋がるもんね。
阿武隈川沿いの道では車とすれ違ったのが2台くらいで、ここも危なげなく梁川に到着。

2024年10月5日(土)05時11分
予定では梁川ミニストップでも小休憩と考えていたが、店の明かりがついていない。

若松さん「最近のコンビニは24時間じゃないところが増えてきたからね~」

店長「あっ、それじゃ、ここで若松さんが持ってきてくれた相月堂の大福食べましょう」

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小休憩といっても2~3分と考えていたが、なんだかんだと5分以上休憩しちゃってる。

店長「食べたらさっさと出発ですよ」

高橋さん「なんか忙しいんですね」

店長「だってまだ1/5くらいしか走ってないんですよ。日本海までは、まだまだです。」

2024年10月5日(土)06時10分
桑折ピーチラインを経由して、飯坂温泉ファミリーマートに到着。

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店長「それじゃ、ここで昼飯用のオニギリを大量に買っておいてください。飯豊の道の駅で昼飯になりますけど、定食とか食べてる時間は無いんです。それとここからが今日一番の山場になるのでコーヒーも飲んで気合入れましょう。それともうすでに到着時間がけっこう遅れ始めてます。オヤビンはここから鳩峰峠の頂上までサポートカーで移動なので準備しててください」

高橋さん「え~!遅れてるの?結構がんばってるのに?」


店長「あれっ、ここって何分休憩にしてたんだっけ?わかりますか?」


岩崎さん「スケジュール画像撮ってたからすぐ見れますよ。んと、休憩時間書いてない・・な。」

店長「んと、ということは、ほとんど休まない予定にしてたのかな。・・・ま、なんとかなりますよ。オニギリ買うのとコーヒーくらいは飲みましょう」

トイレを済ませて、オニギリを2つ(鯖ショウガの手巻きオニギリと、和風ツナマヨオニギリ)を購入して、コーヒーを啜りながら自転車に戻っていくと高橋さんがスクーターで来てるオネエサンと賑やかに話をしている。

高橋さん「今、プルーンを頂いたんですよ」


オネエサン「どこまで行くの」

店長「新潟に行くんです。日本海に海水を撒きに。プルーンありがとうございます。生で食べたことないんで楽しみです。せっかくなので一緒に写真撮りませんか?僕達のワカメノポーズってのがあって・・」

若松さん「えっ、店長。ワカメノポーズもさせちゃうんですか」

店長「僕達からワカメを取ったら何も残んないですよ。こんな感じです。んじゃ撮りますよ~。3、2、1ハイOK~」

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オネエサン「わたし、こういうものなのよ。貴方達、ちょっと5分待ってて。いや3分でいいから」

名刺を渡され、

店長「えっ?あ、あああ、」

オネエサン「すぐ帰ってくるからね~」

あっという間にスクーターで見えなくなった。

2024年10月5日(土)06時30分

高橋さん「行っちゃいましたね」

店長「もうスケジュール30分遅れてるんですけどね。せっかくの御好意のプルーンを頂いてて黙って出発するわけにも行かないですしね」

丁度5分経った頃に、よし子さんがスクーターで戻ってきた。

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オネエサン「ほらっ、これも持っていきな」

なんとプルーンをさらに2袋プレゼントしてくれると取りに戻ってくれたのだ。
さらに高橋さんを「イケメン韓国スターに似てるんじゃない。モテル面してるね」と褒めちぎっている。
僕達の愛する高橋さんのことを気に入ってくれて、鼻が高い気持ちになる。
本当にありがとうございます!
≪本当なら高橋さんを置いていきたい所ですが僕達には地球を救うという使命があるので≫と心の中で呟く。

店長「こんなに沢山の差し入れありがとうございます。全員を代表して感謝いたします。鳩峰峠の頂上で食べさせていただきます」
2024年10月5日(土)06時40分
結局予定より40分くらい遅れて出発となったが、鳩峰峠の登坂区間は時間を多く取っているからここで挽回しよう。
飯坂温泉は波来湯、鯖湖湯くらいまでしか来たことが無かったので、初めて見る景色でワクワクが止まらない。
ゆるい勾配を登り続けていると奥飯坂の温泉街の景色も無くなってきた。

高橋さん「このくらいの楽な勾配なら若松さんも楽に登れるだろうにね~」

などと無駄話しながら登っていると後ろのメンバー達から歓声らしきものが聞こえる。

店長「ん?どうしました?」

スナップショット- 8

おっ!さっきのオネエサンだ。声を掛けながらスクーターで追い抜いて行ったみたいだ。
ちょっと先の退避スペースで停まって応援してくれてる!なんて優しい人なんだろう。

店長「ありがとうございます。がんばってきま~す」

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そのまま進み続けるとダムの管理事務所が見えてきた。
が、開所時間は9時からなのでトイレ休憩はできなそう。一度駐車場に入って小休憩するか尋ねるも「予定時間が遅れてるから頑張る」とのこと。

再出発して間もなく後ろが着いてきてない。サポートカーも止まった。ん、パンクか?
引き返そう。

店長「どうしたっすか~~?」

熊川さん「高橋さんが脚攣りました。お~、いよいよですね」


高橋さん「いや~申し訳ない。脚攣っちゃいました。ハハハ」


熊川さん「攣った方が強くなるから良いんじゃないですか」

そう高橋さんはマダムキラーなだけじゃなく、あのジャッキー・チュンも体得を諦めた攣れば攣るほど強くなるという伝説の【攣拳】の師範代。脚攣ったら終わりという常識で生きてる僕達では、攣拳の初歩すら会得できないだろう。

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とりあえずサロンパスを貼ろう。
スナップショット- 2

ついでだから僕の腰にも貼っておこう。他の人達も小休憩。エナジバーを食べたりドリンク補給。

標高も高くなって涼しくなってきた。服装も整えよう

店長「ちょっと着替えするので高橋さん準備できてれば先に行っててください。俺追いつけるので(ニヤッ)」

高橋さんの負けず嫌いスイッチをくすぐってみたら鳩峰峠頂上まで追いつくことは出来ないスピードでゴール。さすが攣拳師範代

スナップショット- 6

鳩峰峠自体は勾配はきつい事はないのだが、落ち葉やドングリ、栗が散乱している。栗の実が見当たらないってことは野生動物が食べたって事でしょ?熊とか絶対いるでしょ。
笛を全力で吹きながら登り続けるも約20kmの区間を熊におびえて走るのは精神も疲れてくる。
頂上近くになって岩崎さん、熊川さんが待っててくれた。

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頂上に着くとあたり一面ガスがかかっており真っ白。
晴れてれば高畠方面が一望できるはずなんだけど天気はしょうがない。

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オネエサンに貰ったプルーン休憩

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朝グダグダだったワラガイキャッツ円陣のやり直し。今度は完璧な出来だった(動画参照)

しっかりと休憩したいところだが、ガスの影響もあり寒い。じっとしてると震えが来るほどなのでウィンドブレーカー、グローブをしっかり装着して下山開始。

下り側は勾配がきつくなり、連続ヘアピンカーブと落ち葉とウェットな路面で怖い。さらには周りの木々から今にも熊が飛び出してきそうなので大声で叫びながら下りきる。

下りきると気温は高くなり、ほっと一息。
と思ったが太陽が出ているので、どちらかというと暑い。
店長「もうちょっと行けば飯豊の道の駅ですよ。昼休憩できますよ!がんばれ。あと1km」

熊川さん「またまた~。どうせ後1ワラガイなんでしょ」

くっ、バレてるか。

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約4km程走ったあたりで、やっと道の駅まで1kmの看板が見えてきたが、後続が離れてしまった。

店長「どうしったすか?」

若松さん「高橋さん、脚全部攣ったって」

とうとう脚全部攣ったか。これは攣拳の奥義の四門を開けたということだろう。屈伸しながら待っていると

高橋さん「おまたせしました。両足の太腿も攣っちゃいました。」

店長「でも今度こそ本当に残り1kmで道の駅ですから頑張りましょう」

ここまでで約120kmいつものロングライドイベントだとゴールしてる距離だが、これからが本番だから気を抜かないようにしよう。

2024年10月5日(土)10時30分
飯豊の道の駅に到着すると、駐車場は満杯な感じでお客さんたちで賑わっている。

店長「本当なら10分休憩したら出発ですけど、しっかり休みましょう。芋煮とか汁物売ってるはずなので、それと飯坂で買ったオニギリ食べます。けっして定食を注文してゆっくり昼食とは思わないでください。日本酒会の日本酒選びもあるので。んじゃ、自転車見張り番するので先にどうぞ」

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売店に行く汁物は芋煮汁と土日限定のベコ汁というのも売っている。山形といえば芋煮汁でしょ!ベコ汁も気になるけど明日立ち寄った時に食べよう。

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うま~~い。久しぶりに食べたけど山形風の芋煮汁が大好き。

店長「なんか113号線とんでもなく混んでますね。車列が途切れてないですよね」

紅葉が始まるであろう10月の3連休を外してるから、きっと道は空いてるだろうと思っていたが想像の3倍の交通量だ。

ここから関川村までトンネルが14カ所ある。

トンネル区間は
①トンネル手前で一旦停止して後方確認
②車がいないことを確認したら突入。
③トンネル内で反響音が聞こえたら自転車から降りて段差の上に避難
④トンネルには約30秒ごとに車間距離を開けて突入

と厳しい走行ルールを設けていた。
その為、下り基調の約65kmの距離を4時間20分時速(15.5km)で計算していた。
余裕があれば関川村上関共同浴場に入りたい。

2024年10月5日(土)11時00分
店長「それじゃ出発しましょう。2人1組で30秒ごとに出発。先に岩崎、熊川。次に若松、渡部。最後に高橋、店長で行きましょう。トンネルね。トンネルだけは慎重に行きましょう」

う~ん、予定時間は変わらず30分遅れくらいか。なんとかなるでしょ!

最初のトンネルは左側に幅の広い歩道があったので、そこを通ったがそれでも真っ暗闇が怖い。
持ってきてるライトは前後共に全力で光らせているが不安しかない。

ここのトンネルは歩道があるから問題ない。次からだ。次から13カ所は歩道無しだ。しかも、なんだこの交通量は。
ちょいちょいダンプとかトレーラーとか観光バスとか凄いことになってるじゃんか。
軽く涙がこぼれる。

少し行くとチェーン脱着場のパーキングが見えてきた。ここまでが113号線での登りが終わりほぼ下りになるはず

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高橋さん「はぁはぁ、脚にきてるので先に行ってください。」

店長「大丈夫ですよ。見捨てることなんてしません。最後尾を守りますから安心して走行してください。気を抜かずに行きましょう」

と、言ったか言わないか。
下りが始まった途端、時速30km巡行が始まる。
なんだよ。脚にきてるって。
凄まじいパワーが脚に溜まってきてるよ~って事だったのか?

全員に伝えたとおりのトンネル通過ルールを守ってると視界に全く見えなくなった。

店長「よ~っし、おじさん本気出しちゃうぞ」

時速35kmオーバー巡行を意識するも全然見えてこない。
トンネル出口に倒れてる姿が無いか心配しながら、路肩を見ながらも全力走行を続けるも誰もいない。独りぼっちだ。
最後尾守りますって言ったけど。

あいつら、トンネルルール守らないで爆走しやがってるな。
ちくしょ~~~!

でもトンネル怖いから自分ルールで走ろう。
もどかしい追いつきたいけどトンネル怖い。

最初数えてたトンネルも今何個目か忘れたころに民家や店が見え始めた。看板に小国って文字も見える。
やった!
小国ということはもうすぐ道の駅もあるはずだ。

2024年10月5日(土)12時20分
見えてきた!
クレープ屋の前に見慣れたオジサン達がニヤニヤして手を振ってくれてる
なんとか小国の道の駅に到着した ワラガイ御一行様
ここで山形県で一番大きなクレープを食べるのも目的の一つ。
はたして無事に日本海にたどり着くことが出来るのか?